Street Art News x PITS インタビュー&プレゼント当選者発表!


Street Art Newsのインタビュー企画第三弾!今回インタビューに答えてくれたのは、日本人アーティストPITS
今年に入り、自身のファッションブランドDISCROWNを立ち上げるなど、今話題沸騰中のアーティスト!
インタビューは、読者から寄せられた質問も盛り込まれており、たいへん内容の濃いインタビューとなっています。
DISCROWNのステンシルTシャツのプレゼント当選者は、こちらで発表しております!

StreetArtNews(以下S):
まずは、簡単な自己紹介からよろしくお願いします。
また、いつどのようにしてアーティスト活動を始めたのかお教えいただけますか?

PITS (以下P):
仲間の影響でストリートアートに興味を持ち、ステッカーやスプレーを持って街をぶらつくようになりました。当時はただ多くの場所に足跡を残すという感覚で したが、、。その頃に、短時間で描けるステンシルを用いるようになりました。 その後、Banksyをはじめ様々なステンシルアーティストの存在を知り、キャンパス作品も描くようになりました。学校などでアートやデザインを学んだ経験はありません。

S: 作品を制作するうえで特に大切にしてことを教えてください。

P: 「自己満足」と「驚き」と「メッセージ」です。グラフィティアートですから自分の考えを満足いく形で表現し楽しむようにしています。そこには作品を見る人たちを驚かせたいという思いもありますし、何かしらのメッセージが伝われば尚良いと思っています。

S: PITSさんの作品は、日本人アーティストであるからこそ表現できるテーマのものが多いように感じているんですが、その辺りは意識して作品を制作されているんですか?

P: 日本人であるからこその作品を作ろうという意識はありませんが、日本人の私が自分の考え表現しようとすれば無意識に作品にも出るのだと思います。また私の作品にはポリティカルなテーマのものが多いので、その辺がより強調されているのかもしれません。
新作"Forbidden fruit is sweet?"は、こちらから購入可能!
"Present of Battlefield"は、こちらから購入可能!
S: ちなみに先日リリースされた「Forbidden fruit is sweet?」は、日本の原発問題を意識されたように感じましたが。

P: そうですね。便利さや利益を求め続ける人類の様をイメージし描きました。ただ原発に限ったことではなく、例えば仕事や恋愛など日常にも様々な問題があると思います。何事も進化成長することは大切なことですが、よく考え後悔のない選択をしてほしいというメッセージを現代版「禁断の果実」で表現しました。

S: PITSさんは、ご自身の頭の中で綿密に作品のテーマなどを設定してから、イメージを構築していかれるんですか?
それとも、その時のフィーリングを大切にして、ラフなどを描きながら作品のテーマを決めていくんですか?


P: 両方です。常にいくつかのぼんやりとしたテーマあり、その両方を繰り返し繰り返し行い形にしていくことが多いです。その時のフィーリングも大切ですが、すぐに飽きたり後々後悔しないように時間をかけて納得がいくまで練ります。

S: なぜステシルで絵を描こうと思ったのですか?
また、PITSさんにとってステンシルの最大の魅力はなんですか?


P: ストリートにおいて人通りの多い目立つ場所にもでも、短時間でクオリティの高いものが何回も描けるのが魅力でステンシルを用いるようになりました。現在もその流れでステンシルを続けています。キャンパス作品においては、スプレーペ イントの魅力をそのままに、細かい表現もできることと量産できることでしょうか。


S: PITSさんは、アートファンやコレクターを意識して絵を描かれたりすることはありますか?

P: アートファンやコレクターに限らず、作品を見てくれる全て人たちを「驚かせてやろう」という意識は常に持っています。しかし無理に誰かに合わせたり、好かれようとしたり、媚びたりするような作品作りは自分のセオリーではないので、基本的には自分の描きたい絵しか描かないようにしています。

S: 作品によるとは思いますが、1作品にどれくらい時間をかけて描きますか?

P: 例えば最近リリースした「Forbidden fruit is sweet?」は、構想に3~4ヶ月、製作に3~4週間です。と言っても、ひとつの作品に集中して構想を練るのではなく、平行していくつかの案件を考えていたり、ある程度構想が出来上がっても時間をおいて何度も考え直したりするので時間でがかかってしまいます。

S: PITSさんのアートに影響を与えていたり、目標にしたりしているアーティストはいらっしゃいますか?

P: ステンシルアーティストには影響を受けないようにしているのですが、有名になってもブレず媚びず驕らないBanksyの作品とやり方はカッコいいと思います。 好きだったアーティストはMuchaH.R.GIGER、PUSHEADなど。最近はROAが好きです。

S: ステンシルアーティストから影響を受けないようにしいるのは、なにか理由があるんですか?

P: 他のステンシルアーティストの作品も気にはなりますが、似たような作品を作りたくないし、真似したと思われたくないからです。

S: 今年、ファッションブランドDISCROWNを立ち上げましたが、何か切っ掛けがあったんですか?

P: たまたま服屋でステンシル風デザインのプリントTシャツを見かけた時に、リアルなステンシルTシャツを作らねばと思いました。プリントのように綺麗で同じクオリティで大量生産はできないが、ハンドメイドの微妙に異なり味のあるステンシルTシャツブランドがなければいけないのではと。アート作品も同様ですが、場合によってはシルクスクリーンプリントが適切かもしれないが、いつまでもグラフィティのリアリティも大切にしたと思っています。

S: アーティストとして絵を描く時と、デザイナーとしてTシャツの図柄をデザインする時で、意識に違いはありますか?

P: もちろん用途が異なるので違いはあります。飾る用のキャンパス作品はどんな時も固定の場所にあり誰が見るかわからないもなので、強烈なインパクトは控えて抽象的でシュールな表現を意識しています。逆にTシャツは個人がその時々の気分で選び着用するファッションなので、トレンドや個人的な趣味志向が強めのデザインを意識しています。

S: 今後、DISCROWNからステンシルTシャツ以外のものが発売される予定はありますか?

P: いろいろ考えてはいますが、まだ具体的な展開予定はありません。ちなみに未発表のアート作品をDISCROWNサイトで少しづつ販売しようと思いますので、時々はチェックしてやってください。

"NOTICE"はこちらから購入可能!

"Obstacle Race"はこちらから購入可能!
S: 今後、作品を制作するうえで挑戦してみたいテーマがあればお教えください。

P: いろいろありますが、「驚き」が半減してしまいそうなので秘密にさせてください。楽しみにしていただければ嬉しいです。

S: PITSさんは、将来どんなアーティストになりたいとお考えですか?

P: ん~、、まだわかりません。。初心を忘れず向上心を持ち続け、今は目の前の作品を制作するだけです。

S: 最後にPITS作品を愛するファンへメッセージをいただけますか?

P: ようやく落ち着いてきたので、今後はペースを上げてキャンパス作品の制作や新しいことにも取り組みたいと思っています。時々はチェックしてやってください。

【PITS】
名古屋在住。ステンシル/グラフィティ/アーバンアーティスト。
「PIT」とは、“きたない場所”、“ひどい状況”、“地獄”、“最低”等の意味を持ち、たいくつな世の中にPITな作品を多く排出すべく「PITS」と名のり、2005年より制作活動開始。2007年から3年間のブランクを経て、2010年に制作活動を再開。
PITS Official site:http://www.pitsking.com/
PITS Twitter: https://twitter.com/PITS_king
PITS Facebook: https://www.facebook.com/PITS.king
DISCROWN Official site: http://discrown.jp/

コメント

このブログの人気の投稿

Ron English 最新ストリートピース in ロンドン

ストリートアート好きに捧げる【イタリア、ミラノ散策ガイド】

Sainer x Bezt 新作ミューラル In カザン (ロシア)