Street Art News X ROAMCOUCHインタビュー Part I


Street Art Newsのインタビュー企画第一弾!今回インタビューに答えてくれたのは、日本人アーティストのROAMCOUCH!
最近海外でのグループショー"DEAD ROCKSTARS"(過去記事)に招待されたりと成長著しいアーティスト。
読者のコメントを盛り込んだ質問にも答えてくれており、内容の濃いインタビューとなっています!
そして、ROAMCOUCHのジグレープリント"Jesus Christ Superstar"のプレゼント当選者は、こちらで発表しております。


StreetArtNews(以下S):
まずは、簡単な自己紹介からよろしくお願いします。

ROAMCOUCH(以下R):
名前はRoamcouch、岐阜県出身で35歳のアーティストです。
芸術関連の専門的な学校や知識等は全くありません。
20くらいからデザイナーを始め、25くらいに筆や絵具で描いていたこともあります。

S: ROAMCOUCH(ロームカウチ)というアーティスト名の由来を教えてください。

R: Roamcouchという名前は、昔に病んだ頃から頭にあった造語で、Roam=彷徨う couch=椅子と直訳して、幽霊のように夜な夜な座って貰える人を探して彷徨う椅子、のようなものを考えていました。
とてつもない感動や、人生を変えるようなものでなくてもいいので、ちょっとホッと座れるような、ちょっと不思議で、いつもと違う色の景色がみえたりしてくれたらいいなという想いから、名前として使っています。

S: いつごろからアーティストとして活動をはじめたのか教えてください?
また、はじめる切っ掛けはなんだったんですか?


R: 本格的にキャンバスに描きだしたのは、まだ1年くらい前です。
それまではずっとデザイナーとして会社に勤めていたり、独立して自分でデザイナーとしてやっていたりしていました。
デザイナー会社で無理をしたのが祟ったのか、一時期まともに歩けないくらいまで体調が落ち込み、何もできなくなりました。
そんなときにアートに助けてもらいました。今でももちろん助けて貰っています。


S: ROAMCOUCHさんはもともとデザイナーだった経歴をお持ちですが、アーティスト活動で役に立っていることはありますか?

R: 頭のなかにあるものを具現化する技術や、それに到るまでの方法等は役立っていると思います。

S: 作品の制作工程を簡単に教えてもらえますか?

R: 頭に浮かんでいる物をラフなどで起こし、それをパソコンでデータとして完成させます。
完成したデザインをステンシルで表現出来る様に版で分け、型を作ります。
型を抜いて媒体にスプレーで描いて、必要であればアクリルや水彩で仕上げます。

S: なぜステンシルという方法で作品を制作しようと思ったんですか?

R: 以前長い間デザインという形で、色々なものを作ってきました。
パソコンで制作したデジタルなデザインで、具現化するには印刷するしかないと思っていました。
デザイナーとしてやっていくことが困難になった頃、ステンシルという物でデザインを具現化している人に出会いました。
デジタルなデータを具現化する方法として、ステンシルはとても面白く、
ずっとデジタルでデザインしてきた私の表現にはピッタリだと感じたからです。


S: スプレーなどは、特殊なものを使っているんですか?
また、作品制作でなくてはならない特別な道具があれば教えてください。


R: スプレーはシンナーの少ない砂っぽく出るものを使っています。
主にmontana94というスプレーを使用していますが、場所によってbeltonやアサヒペンのスプレーも使います。
無くてはならないものは、スプレーはもちろんですが、3Mのマスキングテープが無いと私は全然制作がすすみません。
マスキングテープは細かく弱いステンシル部分を保護したり、マーキングや汚れの防止、型の再生等、私にとってとても大切なものです。
もう一つはGペンで、浮きがでてくるステンシル部分やゴミの除去、細かいマスキング等に使います。Gペンでなくても何でもいいのですが、デザイナー時代に使っていたGペンをそのまま使っています。

S: 作品を制作していて、やっぱり自分は日本人のアイデンティティを持っているんだと感じる時はありますか?

R: 勿論あります。ストリートアート、グラフィティー、アーバンアート、どれも外来の文化で日本発祥の文化ではないかもしれませんが、日本にしかない、らしい見方や色があると思っています。
それがたとえ斜に構えた見方であったり、外来文化から感化されたものであったとしても、日本人は本場に負けない一風変わった味を出せ、それをエンターテイメントとして表現出来うると信じています。

S: 作品によるとは思いますが、1つの作品を完成させるのにどのくらいの時間がかかるんですか?

R: 一番新しい作品のHavenは、大体1か月くらいかと思います。


S: 作品の元となるアイディアはどんな時に思いつくんですか?

R: どこでというのはあまりなく、急に頭に沸くような感じです。
 
S: 作品を作るとき大切にしていることはなんですか?

R: 見てくれる人です。 これを忘れると、とても独りよがりな物になってしまうからです。
解る人だけ解ればいいというのは間違っていると私は思うので、制作しているときは一番強く想っていることです。

S: 作品を制作するうえでモチベーションになっているものはなんですか?

R: これも見てくれる人です。 見てくれる人がいるから、良い物を創りたいと思えます。
これはアーティストそれぞれ色々な考え方があるとは思いますが、やはり私は自分の作品によって何か良い物を感じて貰ったり、楽しくなってもらえたり、嬉しくなってもらえたりしてもらえるのが最大の喜びです。
あとは自分が叱られて伸びるタイプではなく、褒められて伸びるタイプだからだというところもあります(笑)

S: 全ての作品に共通のテーマはありますか?

R: 「感謝」です。絵によっては解りにくいかもしれませんが、全ての作品の根幹は私に関わってくれた人に対する感謝です。


【ROAMCOUCH】
1998年頃からイベントポスターやフライヤー・Webデザイン制作を始め、アパレルデザイン等を経て、2001年より本格的にアーティストとしても多種多様な制作を開始。
様々なアーティストや企業にデザインを提供し、ACDC、グレイトフルデッドを始めとする、音楽アーティストのノベルティーデザインや、BEAMS、PARCO、WWF等の企業へもオリジナルデザインを提供。
2005年に独立し、グラフィティーアートの制作を始める。この頃大病を患ってしまい、現在も闘病しながらの制作となる。
2010年よりキャンバスを中心に制作を始め、現在に至る。

インタビューの続きは後日『ROAMCOUCHインタビューPart2』と題しお届けする予定なので、ご期待ください!お楽しみに!


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