Street Art News X 百樂(Hykrx) インタビュー Part I


Street Art Newsのインタビュー企画第二弾!今回インタビューに答えてくれたのは、日本人アーティスト百樂(Hykrx)
大阪の浜崎健立現代美術館でのソロショー(参照)を終えたばかりの今話題沸騰のアーティスト!
インタビューは、読者から寄せられた質問も盛り込まれており、たいへん内容の濃いインタビューとなっています。
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StreetArtNews(以下S):
まずは、簡単な自己紹介からよろしくお願いします。

百樂(Hykrx)(以下H):
HYKRX(百樂)です、毎日何かしら作ってます。

S: 百樂(Hykrx)というアーティスト名の由来を教えてください。

H: 子供の頃は究極のマイナス思考でして(笑
人生、百の楽しい事があるはず、なら必死に生きようと名を付けました。
表現をかなでると意味もあります。
元々何かしら行う時に使っていたのがそのまま今使っています。

S: いつごろからアーティストとして活動をはじめたのか教えてください?
また、アーティスト活動をはじめる切っ掛けはなんだったんですか?

H: 16、17歳、バンドのフライヤーです。マジック一本で絵からフォントまで描いてました。
きっかけは14、5歳の時にペイントマーカーにハマり、家具からデニムから全部に描いてました(笑
洗濯したら落ちるんで、、、で落ちないのはと染料に行き着き、
これをどうしたらスプレー感覚でとエアーブラシを始めてデニムやTシャツ、壁、シャッター、
最後は車やジェットスキーまで描いてましたね。


S: なぜステンシルという方法で作品を制作しようと思ったんですか?

H: 人を描くとして、型を置き、頭から足先まで一気に躍動感を出せ無駄な所には全く色を残さず、楽しいです。
フラットに表現出来る感じも好きです。ディスプレイした時に光源に左右されにくいのも良いです。
艶を出したい表現以外は、より左右されない様に下地剤からペイント、コーティングまで全てマットを使ってます。
時間をかけ考えて切り抜いてもドリップやスプラッシュを表現したりして最後の最後まで解らない感じも好きです。
苦労しても努力しても神に見放される感じが現実世界に引き戻してくれます。
早く立ち去れると言うのもあります(笑

S: 百樂さんは過去、ステンシルの型紙を一度作品を制作すると全て破棄していたようですが、
それには何か理由があったんですか?

H: 作品は完成して残りますので今もED創りますが、型紙はありません。
昔から下書きとかも処分してたんですよ。
スランプや詰まった時にそれを見て何か得ようとする自分が嫌いです。

S: 作品の制作工程を簡単に教えてもらえますか?
また、百樂さんこだわりの道具などがあれば教えてください。

H: 工程はイメージ.言葉が湧き、描き、型紙作成、カット、ペイント。
ペイント剤はホームセンター、模型用、外壁のペンキ、スプレーから海外製まで何でも使います。
替刃は年間800本程使ってるみたいです、先日業者の方に言われました(笑
細かい線1mm単位を切るときは疲れるのでナイフ柄の軽いもの、
1mとかになると大きな線はブレやすいので柄の重たいモノを使います。


S: 作品の元となるアイディアはどんな時に思いつくんですか?
また、どのようなものに触発されて、作品が誕生しているのか教えてください。

H: 愛情、矛盾、憤り、怒り、悲しみ、実感してです。
全てプラスにしたいが為の疑問だったりする気持ちなので最後はプラスな方向に落とし込みます。

S: 作品の元となるアイディアを得るために意図的に行っていることがあれば教えてください。

H: アイデアを得る為や意図的にかはわかりませんが余計な物事を出来るだけ排除する事、
断捨離ではないですが衣食住も全て削れる部分は削ぐ事で毎日の生活に濁りが減って来ます。
真水に濁りが入ると感じやすいでしょ(笑

S: 作品によるとは思いますが、1つの作品を完成させるのにどのくらいの時間がかかるんですか?

H: 3日位から1ヶ月位。


S: 作品を作るとき大切にしていることはなんですか?

H: イメージや言葉から始まり絵が完成するゴールまでの道のりが見えてるか消えてるか感覚でしかないですが、
かなり当たります。
ステンシルはいかにアナログに切れるか、スプレーの噴霧を活かす、、、まだまだ深いです。
 
S: 作品を制作するうえでモチベーションになっているものはなんですか?

H: とにかく作りたいです。
私はゆっくり客席に座る事は一生無いと思います。
誰かが見てようが見てまいがずっと舞台で表現していたいです。

S: 作品を通して特に表現したいことはなんですか?

H: 少しの本気な感じ方考え方の継続で全ての物事がプラスにもマイナス変わるという事。


S: 全ての作品に共通のテーマはありますか?
H: 全くありません、自分の色を定着しても自分で飽きてしまいます。

S: 作品制作時の面白いエピソードがあれば教えてください。

H: ある場所で3メートル位のコラージュをしようとして水糊吸わせすぎて破れて、
何とか貼り付けたら絵が逆さまで結局断念。5分位の話です(笑

S: 影響を受けたアーティスト、または好きなアーティストはいますか?

H: HEX TGO 、金成嘉久。

【百樂(Hykrx)】
祖父、父親が共に日本画家という芸術一家に育ち、創作活動の礎を築く。90年代初頭からアート製作を開始し、2000年頃からストリートでの活動を始める。2005年頃よりステンシルの作品製作を開始。素晴しいカッティング技術を披露、多くのアートファンに支持されている。百樂は過去、ステンシルの型紙を全てハンドカットし、一度作品を製作すると全て破棄していたが、現在は多くのリクエストに応えるため、フレキシブルにエディション作品も制作する。彼の作品には常に確かなメッセージが存在し、逆にメッセージが存在しない作品は製作しないというほどである。


インタビューの続きは後日『Street Art News X 百樂インタビュー Part II』と題しお届けする予定なので、ご期待ください!
お楽しみに!

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