Street Art News x AIKO インタビュー
我々Street Art Newsは、ゴールデンウィーク特別企画として、NYブルックリン拠点の日本人ストリートアーティストAIKOへの独占インタビューを行いました!
そして、明日5月4日からは、AIKOも参加しているテイトウワ主催のグループ展"MACHBEAT EXHIBITION"(参照)が表参道のBA-TSU ART GALLERYにて開催されます。
ゴールデンウィークは、インタビュー並びに展示会とAIKOの世界を存分に堪能していただきたい!
StreetArtNews(以下S):
S: 今後の活動予定について教えてください?
そして、明日5月4日からは、AIKOも参加しているテイトウワ主催のグループ展"MACHBEAT EXHIBITION"(参照)が表参道のBA-TSU ART GALLERYにて開催されます。
ゴールデンウィークは、インタビュー並びに展示会とAIKOの世界を存分に堪能していただきたい!
StreetArtNews(以下S):
まずは、簡単に自己紹介からお願いします。
AIKO(以下A):
東京都新宿区出身、NY州ブルックリン在住、アーチストです。
S: いつごろからストリートアーティストとして活動を始めたのか教えてください。
また、アーティスト活動をはじめる切っ掛けはなんだったんですか?
また、アーティスト活動をはじめる切っ掛けはなんだったんですか?
A: 子供の頃から絵や文章を書いたり、新しいゲームやダンスの振り付け、替え歌コンサート、お楽しみ会と、毎日意表をつく面白い事を提案しては家族や友達を驚かせたり喜ばせるのが大好きでした。 アーチストとしての活動はその頃から始まっていたのだと思います。今でもプロジェクトに没頭している時の姿勢は、子供の頃とまるで変わってないと思います。東京の美術大学を卒業してすぐ、海外の文化やアートシーンを体験しながら自分の作家活動の可能性を広げたいと思い、NYへ留学しました。
90年代の後半、ブルックリンにある村上隆さんのスタジオでスタジオアシスタントしていたのですが、そこで一緒に作業をしていた友達のボーイフレンドがグラフィティーアーチストで、彼の話を聞いて初めて地下鉄のトンネルや廃墟の壁に夜な夜な絵を描きに行くという面白い活動をしているキッズが沢山居る事を知りました。私も是非参加してみたいと興味を抱いた丁度その頃、ステンシルとシルクスクリーンをはじめたばかりだという友達ができ、一緒にクルーを組んで街に繰り出すことにしました。それがFAILEのはじまりです。
S: FAILE時代とソロになってから変化はありますか?(作風、マネージメント、心境等。)
A: 5年以上もの間、メンバーとは家族のように共同生活をしていました。旅やペイント、展覧会に明け暮れる毎日は、お祭り騒ぎでとても楽しかったです。各都市で、BanksyやObey、Invader、Miss Van、Swoonのような同世代の才能のあるアーチストと仲良くなり、一緒に成功していく過程も大変素晴らしい経験でした。それと同時に、FAILEはいつもグループ制作なので、3人のアイデアがミックスされる事により面白い表現ができるというメリットもあったのですが、個人の声が曖昧に調理され、はっきり表現しきれなくなっている事が私の中で沸々と欲求不満となりました。
新しくスタジオを構え、3人でやっていた事を一人で全部やっているので、とても忙しいですし、他人任せにしていた事は一から学ばなくてはいけないので回り道も多いです。3人で力を合わせて出来上がったクオリティーと同じだけの作品を発表しないと、”やはりAIKOはダメだな” なんて批評が出ますし、日本人女性である事が過小評価や差別に繋がる事も多々あります。けれど、多くのプレッシャーを感じつつも、精魂こめて制作をしていると、作品がちゃんと語ってくれますし、作品を通じ生まれる自分や他人との素晴らしい関わり、経験を自分のものとして吸収できるので大変やりがいがあります。ソロになってから更に5年以上経ち、そうやっていくうちに次のプロジェクトへのステップや新しい作品のテーマが自然と目の前にやって来るようになりました。
S: 世界中で多くのストリートアート作品を見てこられたと思いますが、
今まで見たものでAIKOさんにとって衝撃的だった作品があれば教えてください?
今まで見たものでAIKOさんにとって衝撃的だった作品があれば教えてください?
A: まず、ストリートアートムーブメントの世界的成長そのものが衝撃的だと思います。またその成長のきっかけともいうプロジェクトも忘れられません。2005年にBanksyに連れられて、NYの4つの美術館に彼の作品をインストールしに行きました。私が観光客を装って見張りをしながら一連の行動を証拠として撮影してあげました。メトロポリタン美術館で撮影した、Banksyが変装姿で作品を壁にかけるイメージが、次の日のNYタイムズの表紙になり、その後世界中のテレビやインターネットで報道されたときは思った以上に衝撃的で嬉しくてしょうがありませんでした。
S: LADY BUTTERFLYのアートフィギア(参照)はどのような経緯で発売されることになったんですか?
また、Made in JapanにこだわりLADY BUTTERFLYを制作したのには何か理由があったんでしょうか?
また、Made in JapanにこだわりLADY BUTTERFLYを制作したのには何か理由があったんでしょうか?
A: クオリティーの高い技術を使ったMade in Japanの作品を制作して世界に紹介したい、と強く思うのはとても自然なことでした。日本に住むアートトイコレクター兼アートトイショップの店主である留の助さんからファンレターを頂いた事をきっかけに、日本製のアートトイのプロダクションについて学ぶ事ができました。2次元のレディーバタフライを東京の造形作家の方に協力していただき3次元化に成功しました。その後飛騨高山にある留の助さんのお店でスタッフの皆さんと一緒にパーツの一点一点を組み立てと磨き、ハンドペイントで仕上げをし、新潟にある国内唯一の箔押しのできる箱屋さんに依頼し制作した特性ボックスに入れて出来上がり、という執拗で繊細な行程でレディーバタフライのスカルプチュアが完成しました。ストリートアートの素朴でワイルドな世界とかなり温度差がありますが、そのギャップがかえって日本人のストリートアーチストしかできない個性的で豊かな作品になったと思い、とても誇りに思います。
S: AIKOさんは世界中を飛び回ってアーティスト活動を行われていますが、
日本人ストリートアーティストが世界を舞台に活躍するために最も必要な要素はなんだと思いますか?
日本人ストリートアーティストが世界を舞台に活躍するために最も必要な要素はなんだと思いますか?
A: 移動や肉体労働に必要な体力、異文化の中で逞しく生きる為の精神力、トラブルに巻き込まれない運かと思います。
S: 現在の日本のストリートアートシーンについてどう感じていらっしゃいますか?
また、日本でさらに多くの人にストリートアートが認知されるためには何が必要だと思いますか?
また、日本でさらに多くの人にストリートアートが認知されるためには何が必要だと思いますか?
A: 日本で多くの人に何が何でも認知されるのが良い事とは正直思っていません。それは日本独特のいわゆる、”はやりもの”文化の一部になって、コマーシャル化され、廃れるという結末が待っているからです。流行語大賞で”ボムる”なんて言葉がノミネートされたら世も末です。国内の作家やストリートアートファンの方は物足りないと思うのかもしれませんが、本当に好きな方だけが海外の情報を翻訳しながら楽しんだり、展覧会を見にでかけたり、作品をコレクションしたり、今のオタク的な現状が丁度いいのかもしれないとも思うのです。
A: 5月は東京で珍しくグループ展が2つもあります。一つは5月4日 から13日まで、表参道BA-TSU Galleryにてテイトウワさん主催のグループ展があります。ストリートアートなのは私だけですが、伊藤桂司さんやヒロ杉山さん、米原康正さん等、日本の第一線で活躍するグラフィックアーチストや写真家の方々と一緒に展示をします。(詳細:http://www.machbeat.com/noise/mbe/)
もう一つはカリフォルニアに本部のあるKeep A Breast FoundationというNPO団体の日本支部が主催する乳がん予防の認識を高めることを主旨としたグループ展で、5月24日にギャラリーO(表参道ヒルズ内)にて開催されます。Paul Insect やLogan Hicks、Miss Van等海外のストリートアーチストも参加しています。(詳細:http://www.keep-a-breast.org/japan/)
LAのWarner Brother's Record 主催で5月18日よりグループ展があります。1983年にリリースされたマドンナのファーストアルバムのポートレートを使った作品を発表します。その後夏はNYでポスターの制作と壁画の制作、セントルイスでの展覧会、年末にマイアミの美術館で開催される展覧会の準備があります。2013年にはかなりキラキラしたプロジェクトが待っているのですが大人の事情で今は秘密です。ladyaiko.comで活動をチェックしてください。
S: 最後にAIKOさんの作品を愛するファンへ一言お願いします。
A: いつも有り難うございます。これからもどうぞ宜しくお願いします。
コメント
コメントを投稿